相続人以外も寄与分の主張はできる?
晩年すべての介護をしていたが相続人ではないから財産相続できない、などのケースを耳にしたことはありませんか。
人間の心情的には、相続人よりも多く財産をもらえてもおかしくないと思うのが一般的です。
そこで本記事では、相続人以外も寄与分の主張はできるのかという問題について解説します。
寄与分とは?
相続の寄与分とは、被相続人+の財産の維持や増加に貢献した場合、他の相続人よりも多く相続財産を受け取れる制度です。
寄与分が認められるには、以下の要件を満たしている必要があります。
- 相続人であること
- 財産維持や増加に貢献した行為をしていたこと
- 特別な寄与(通常期待される程度を超えるような特別な貢献)をしていたこと
- 無償あるいは無償に近い状況であったこと
- 一定期間継続して行っていたこと
相続人以外が寄与分の主張はできるのか
前項の通り、寄与分は相続人のみに認められています。
相続人以外のひとが寄与分の主張をすることはできませんが、「特別寄与料」が認められる可能性があります。
特別寄与料とは、相続人以外の親族が、被相続人の財産維持または増加について特別の寄与をした場合に、相続人に対して寄与の程度に応じて請求できる金銭のことです。
特別寄与料が認められるには、以下の要件を満たしている必要があります。
- 無償あるいは無償に近い状況で寄与していること
- 療養看護やその他の労務によって、被相続人の財産維持や増加に貢献していること
- 特別の寄与(一定程度の労務提供)をしていること
たとえば、被相続人の子の妻が家業を手伝ったり、介護をしていたりするケースが考えられます。
被相続人の子は相続人に該当しますが、子の妻は相続人ではありません。
子の妻は相続人以外の親族にあたるので、寄与の程度に応じて特別寄与料を請求できる可能性があります。
特別寄与料を請求するには
特別寄与料を請求する方法は、2通りあります。
まず1つ目は、相続人に直接支払いを求める方法です。
当事者同士の話し合いで合意が得られれば、一番スムーズに手続きができます。
話し合いで解決ができない場合は、2つ目の家庭裁判所に調停を申し立てる方法があります。
特別寄与に関する処分調停の申し立ては、相続の開始があったことおよび相続人を知ったときから6か月、または相続開始から1年以内に行わなければいけません。
期限内でなければ請求できないので、調停を考えている場合はできるだけ早めの対応が大切です。
まとめ
今回は、相続人以外も寄与分の主張はできるのかという問題について解説しました。
相続人以外の親族は、要件を満たしていれば「特別寄与料」が認められる可能性があります。
相続人を含めた当事者同士の話し合いで解決できれば良いのですが、金銭の絡んだ話し合いはトラブルにつながる可能性が高くなります。
特別寄与料に関して不安やお悩みのある方は、一度弁護士へ相談することを検討してみてください。
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基礎知識
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LAWYER
弁護士紹介
名城法律事務所 一宮事務所
所長 室田 真宏[むろた まさひろ]
愛知県立一宮高校卒業。高校時代はラグビーで県大会出場を果たすなど、青春をラグビー一色で過ごす。
高校卒業後は金沢大学法学部法学科に入学。在学中に交通事故の被害当事者になり、法律の大切さを実感。そのことがきっかけで、人々の暮らしを守る弁護士を志すようになった。
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- 経歴
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平成19年3月 名古屋大学法科大学院を卒業 平成21年9月 司法試験合格 平成22年12月 愛知県弁護士会に弁護士登録、名城法律事務所に入所 平成26年4月 一宮事務所を開設し、現在に至る
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- 弁護士活動等
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- 消費者委員
- 法律相談センター運営委員
- 研修センター運営委員
- 広報委員
- 名古屋弁護士投資被害研究会
- NHKラジオ「ラジオあさいちばん」複数回出演
- NHKラジオ「夕刊ゴジらじ」出演
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