公正証書遺言の証人は何人必要?どんな人がなれる?
公正証書遺言は、公証人が作成する信頼性の高い遺言書です。
ただし作成時には、法的要件として証人の立ち会いが必要とされています。
ここでは、公正証書遺言に必要な証人の人数や、誰が証人になれるかなどの要件について解説します。
証人の人数と立ち会いの役割
公正証書遺言を有効に作成するためには、証人の人数とその立ち会いが法律で定められています。
この要件を欠いた場合、遺言書そのものが無効となる可能性があります。
民法969条により、公正証書遺言には2人以上の証人の立ち会いが必要です。
証人は遺言者と一緒に公証役場に出向き、遺言の内容を確認することが求められます。
また、遺言の内容を秘密にする義務もあり、単に同席すればよいというものではありません。
証人の署名押印も遺言書に記載されるため、その責任は軽くありません。
証人になれる人と制限される人
証人は誰でもなれるわけではなく、民法上で明確に制限されています。
これを理解せずに依頼すると、遺言が無効となるおそれがあります。
証人になれない人の例
次のような利害関係者や関係性の近い人は、証人としての中立性が疑われるため、法律で排除されています。
- 未成年者
- 推定相続人およびその配偶者
- 遺贈を受ける予定の人
- 公証人の配偶者や四親等内の親族
たとえば、子や兄弟が証人になった場合、形式的な遺言であっても無効と判断される可能性があります。
証人として適切な人の選び方
証人には、成人で判断能力があり、利害関係のない第三者を選ぶことが重要です。
一般的には、弁護士や司法書士、行政書士に依頼するケースが多く見られます。
専門職であれば、公正証書遺言の作成に慣れており、証人としての役割を的確に果たすことができます。
証人依頼時の注意点と費用相場
証人を誰に依頼するかは、公正証書遺言の有効性に直結します。
そのため、事前に確認しておくべき事項がいくつかあります。
第三者に証人を依頼する場合には、報酬が発生することがあります。
弁護士や司法書士に証人を依頼する場合、1人あたり5000円から1万円前後の報酬が相場とされています。
また、公証人役場で紹介を受けられることもありますが、その場合も報酬が発生するケースがあります。
証人として依頼する際は、必ず費用の有無と金額、当日の所要時間などを確認しておくと安心です。
まとめ
公正証書遺言を有効に作成するためには、証人の人数や資格に関する法律上の要件を正確に満たす必要があります。
未成年者や相続人などは証人になれず、誤って依頼すると遺言が無効になるおそれもあります。
適切な証人の選任は、遺言内容の実現に直結する重要な手続きです。
不安がある場合には、公正証書遺言に精通した弁護士に相談することを検討してください。
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弁護士紹介

名城法律事務所 一宮事務所
所長 室田 真宏[むろた まさひろ]
愛知県立一宮高校卒業。高校時代はラグビーで県大会出場を果たすなど、青春をラグビー一色で過ごす。
高校卒業後は金沢大学法学部法学科に入学。在学中に交通事故の被害当事者になり、法律の大切さを実感。そのことがきっかけで、人々の暮らしを守る弁護士を志すようになった。
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- 経歴
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平成19年3月 名古屋大学法科大学院を卒業 平成21年9月 司法試験合格 平成22年12月 愛知県弁護士会に弁護士登録、名城法律事務所に入所 平成26年4月 一宮事務所を開設し、現在に至る
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- 弁護士活動等
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- 消費者委員
- 法律相談センター運営委員
- 研修センター運営委員
- 広報委員
- 名古屋弁護士投資被害研究会
- NHKラジオ「ラジオあさいちばん」複数回出演
- NHKラジオ「夕刊ゴジらじ」出演
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