休業損害(休業補償)とは
「職場から自宅に帰る途中に、交通事故に遭ってしまった。仕事をしばらく休むことになるが、労災は適用されるのだろうか。」
「交通事故の被害に遭い入院しているため、仕事をすることができない。休業損害は十分にもらうことができるのか心配だ。」
交通事故の被害に遭い、休業損害についてこうしたお悩みを抱えていらっしゃる方は数多くいらっしゃいます。
このページでは、交通事故にまつわる数多くのテーマのなかから、休業損害と休業補償について、解説してまいります。
■休業損害とは
休業損害とは、自賠責保険により支払われる、交通事故の被害に遭い休業することで失った利益をさします。
休業損害の基準額は、実際に減少した収入分となります。
休業損害は、2020年4月1日以降の事故では原則的に1日あたり6,100円として休業日数に応じて支払われ、1日当たりの収入がこれより多かった場合には、1日あたり19,000円を上限に休業日数に応じて支払われます。
ここでいう1日あたりの収入は、収入証明ができる場合をいいますが、専業主婦や自営業の場合、学生などであっても、少なくとも1日あたり6,100円で計算した休業損害を受け取ることができます。
また、休業日数とは、入院や通院のため休業した日数をさし、自らの判断で仕事を休んだ日は含まれない可能性があるため、注意が必要です。
■休業補償とは
休業補償は、正確には休業補償給付や休業給付とよばれる、労災保険から支払われるお金をさします。
労災の対象となる、通勤中・勤務中に交通事故に遭ったケースで、通勤中の交通事故では休業給付、勤務中の交通事故では休業補償給付の対象となります。どちらも休業して4日目から支払われることに注意が必要です。
休業補償の計算は、事故前3か月間の平均給与から1日あたりの日額(これを給付基礎日額といいます)を算定し、その日額の60%とされています。
ただし、休業特別支給金という名前で、日額の20%が追加で支払われるため、合わせると給付基礎日額の80%が支払われることになっています。
■休業損害や休業補償を請求する際の注意点
休業損害や休業補償を請求する際の注意点としては、両者を合わせて請求することはできないということが挙げられます。
休業損害と休業補償のどちらか一方しか請求できないため、どちらが自分にとって適切か考慮する必要があります。
また、休業損害は自賠責保険から、休業補償は労災保険から支払われるため、それぞれ請求先が異なる点にも注意が必要です。前者の場合は、加害者の保険会社や自賠責保険会社に、後者の場合は労働基準監督署に請求する必要があります。
こうした休業損害や休業補償の手続きは、一般の方にとってなじみがなく、難しく思われるかもしれません。
弁護士は、法律と交渉についての専門家として、被害者の方のサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
弁護士 室田 真宏(名城法律事務所 一宮事務所)は、一宮市を中心として、稲沢市、江南市、岐阜市、岩倉市といった名古屋北部で広くご相談を承っております。
豊富な知識と経験を活かし、交通事故をはじめとして、相続トラブル、労務・労働問題に関する相談など、幅広い法律相談をお受けしております。事前にご予約いただければ、休日や時間外にも対応可能です。
交通事故についてのお悩みの方は、弁護士 室田 真宏(名城法律事務所 一宮事務所)まで、どうぞお気軽にご相談ください。
基礎知識
-
逸失利益の計算方法|...
■逸失利益とは?逸失利益とは、交通事故における被害者が、その交通事故による被害がなければ将来的に得られたであろう利益を指します。逸失利益には「後遺障害逸失利益」と「死亡逸失利益」の2種類が存在します。このうち、「後遺障害 […]
-
相続放棄と限定承認の...
相続は包括承継の一種であり、原則被相続人のすべての権利義務が相続と同時に相続人へと承継されますそのため相続人は、不動産や預貯金などといったプラスの財産(遺産)はもちろんのこと、借金やローンなどといったマイナスの財産(債務 […]
-
カスハラ(カスタマー...
カスタマーハラスメントとはカスタマーハラスメントとは、消費者が客という立場を利用して企業や従業員に対して不当又は過剰な要求を行う嫌がらせのことをいい、カスハラと略されます。近年カスハラが増加した背景には、SNSなどの発達 […]
-
交通事故によるむちう...
交通事故の被害者の中には「交通事故で後ろから追突されてしまい、それから首の痛みやしびれに悩んでいます。」などという方もいらっしゃるのではないでしょうか。このようなむちうちの症状は周囲からは分りにくい症状のため、適切な補償 […]
-
遺言書の開封前に行う...
■検認手続きとは?検認手続きとは、相続発生後自宅から「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」が発見された場合に、家庭裁判所に申し立てを行うことで遺言書が真正に作成されたものであるかを確認する手続きをいいます。相続方法等を指定す […]
-
症状固定とは
「交通事故の怪我について通院して治療を続けていたが、症状固定と診断された。症状固定の前と後で何が変わるのだろうか。」「交通事故の被害に遭い入院しているところ、主治医から後遺症が残る可能性があると告げられた。いつからが後遺 […]
よく検索されるキーワード
弁護士紹介
名城法律事務所 一宮事務所
所長 室田 真宏[むろた まさひろ]
愛知県立一宮高校卒業。高校時代はラグビーで県大会出場を果たすなど、青春をラグビー一色で過ごす。
高校卒業後は金沢大学法学部法学科に入学。在学中に交通事故の被害当事者になり、法律の大切さを実感。そのことがきっかけで、人々の暮らしを守る弁護士を志すようになった。
-
- 経歴
-
平成19年3月 名古屋大学法科大学院を卒業 平成21年9月 司法試験合格 平成22年12月 愛知県弁護士会に弁護士登録、名城法律事務所に入所 平成26年4月 一宮事務所を開設し、現在に至る
-
- 弁護士活動等
-
- 消費者委員
- 法律相談センター運営委員
- 研修センター運営委員
- 広報委員
- 名古屋弁護士投資被害研究会
- NHKラジオ「ラジオあさいちばん」複数回出演
- NHKラジオ「夕刊ゴジらじ」出演
事務所概要
事務所名 | 名城法律事務所 一宮事務所 |
---|---|
所在地 | 〒491-0858 愛知県一宮市栄3-8-17 レヴァンテビル3F |
TEL / FAX | 0586-85-8521 / 0586-85-8523 |
営業時間 | 平日9:00~17:30 ※時間外対応可能(要予約) |
最寄り駅 | 「名鉄一宮駅」下車徒歩3分、「尾張一宮駅」下車徒歩3分 |
駐車場 | 近隣にコインパーキングあり |