遺留分についての基礎知識
遺留分制度とは相続の場合に、相続人を保護するために必ず相続財産の一定額を何らかの方法で保証する制度を言います。遺留分制度は民法1042条で定められており、被相続人による財産処分の自由及び取引の安全と相続人の生活の安定及び財産の公平な分配との調整を図るという趣旨に基づいて規定されました。具体的には被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に許容されています。遺留分が請求できる場合とは例えば、被相続人が複数いる相続人のうちの一人の相続人にのみ全財産を相続させるという遺言を残した場合などに他の相続人が自己の遺留分を主張する事ができる事が多いです。
遺留分を主張する場合には遺留分侵害額請求という請求を財産を相続した者に対して行う事ができます。自身の遺留分がどのくらい請求できるのかという計算方法については民法に規定されていますが、相続人の属性や数など、各相続の具体的な事情によって計算方法が異なってきますので、弁護士などの専門家に算定してもらうことをお勧めします。
遺留分は胎児であっても、生きて生まれた場合には持つ事ができます(民法886条)。また、遺留分侵害額請求の承継人でも遺留分侵害額請求をする事ができます。なお、遺留分の権利は一身専属権(その人独自に帰属する権利)であるため、債権者が債務者の遺留分に基づいて遺留分侵害額請求される者に対し代位請求をすることは原則としてできませんが、遺留分侵害額請求権の行使を債務者が確定的に明示表明した場合には例外的に債権者代位する事ができるとされています。
遺留分侵害額請求権はこれを行うことを相続した者に対して行うことで法律上の効果が発生する形成権です。ですので、必ずしも裁判においてこの請求をする必要はありません。遺留分侵害額請求権は遺留分を侵害されたと知った時から1年間、相続が開始した時から10年間行使されない場合には時効によって消滅してしまいますので、この点には十分に注意することが必要です。
相続関係の問題は親族間の利害対立が表面化しますし、私情が介入して冷静な判断をする事ができないことが多いです。ですので、紛争が長引いてしまうことや複雑化してしまうことも少なくありません。このような事態を防止するために一度弁護士等の専門家に相談されることも紛争の早期解決に資する手段といえます。
相続でお困りの方は是非一度当事務所までご相談ください。
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弁護士紹介

名城法律事務所 一宮事務所
所長 室田 真宏[むろた まさひろ]
愛知県立一宮高校卒業。高校時代はラグビーで県大会出場を果たすなど、青春をラグビー一色で過ごす。
高校卒業後は金沢大学法学部法学科に入学。在学中に交通事故の被害当事者になり、法律の大切さを実感。そのことがきっかけで、人々の暮らしを守る弁護士を志すようになった。
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- 経歴
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平成19年3月 名古屋大学法科大学院を卒業 平成21年9月 司法試験合格 平成22年12月 愛知県弁護士会に弁護士登録、名城法律事務所に入所 平成26年4月 一宮事務所を開設し、現在に至る
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- 弁護士活動等
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- 消費者委員
- 法律相談センター運営委員
- 研修センター運営委員
- 広報委員
- 名古屋弁護士投資被害研究会
- NHKラジオ「ラジオあさいちばん」複数回出演
- NHKラジオ「夕刊ゴジらじ」出演
OFFICE
事務所概要
事務所名 | 名城法律事務所 一宮事務所 |
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所在地 | 〒491-0858 愛知県一宮市栄3-8-17 レヴァンテビル3F |
TEL / FAX | 0586-85-8521 / 0586-85-8523 |
営業時間 | 平日9:00~17:30 ※時間外対応可能(要予約) |
最寄り駅 | 「名鉄一宮駅」下車徒歩3分、「尾張一宮駅」下車徒歩3分 |
駐車場 | 近隣にコインパーキングあり |
